寝る時に、不意に ネコの最後の時の様子が彷彿と現れた。
まるで その場に 強制移動させられたかのように
目の前には 力なく横たわったネコが いた。
柔らかな掛け布団の上 半分隠れた 顔
そっとなでたら うっすら開ける瞼の奥の
あまりにも優しいまなざし
力なく差し出されたその手を取れば
弱々しく答える「爪」
「苦しい? ごめんね....」と意味なく話しかけた私に
小さく ゆるゆると 微かに答えてくれる シッポの先
彼は.....私が新しい記憶を取り戻すまで
心に残ってしまった最後の有様を見せてくれているのだろう
涙だって 悪い事ばかりではないのだよ と